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錯誤の数数に星の輝きを見つけるためのサイエンスフィクション
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テープ起こしの現場では、元の音声が分からなくなってしまう不都合を避けるための原則を設けているらしい。

たとえば「そのほか」という発語を「その他」と書き起こすべきではない。その文字は「そのほか」とも「そのた」とも読めてしまうからだ。ひとたび「その他」の元の音声は「そのほか」ではないと決めたなら、「そのた」という発語を「その他」と記述しても混乱は来さないし、審美的な観点からむしろ望ましいといえる。

以上を踏まえ、次のどの訳文が望ましいかを検討してみた。

(い)エリクには、結局は死なせてしまいましたが、象という兎がいました。兎はもっと小さくてすばしっこい動物だと思っていたエリクは、象をはじめて見たとき、ただやたらと大きいとびっくりしました。エリクが兎に期待していた優美さは備わっていないと判明したので、いくぶん侮りの気持もあって、それならばとエレファント、すなわち象と名づけました。しかしエリクは、しだいに象のだらりとした風貌が気に入りました。

(ろ)エリクには、結局は死なせてしまいましたが、エレファントという兎がいました。兎はもっと小さくてすばしっこい動物だと思っていたエリクは、エレファントをはじめて見たとき、ただやたらと大きいとびっくりしました。エリクが兎に期待していたエレガントさは備わっていないと判明したので、いくぶん侮りの気持もあって、それならばとエレファントと名づけました。しかしエリクは、しだいにエレファントのだらりとした風貌が気に入りました。

(は)エリクには、結局は死なせてしまいましたが、象という兎がいました。兎はもっと小さくてすばしっこい動物だと思っていたエリクは、象をはじめて見たとき、ただやたらと大きいとびっくりしました。エリクが兎に期待していたエレガントさは備わっていないと判明したので、いくぶん侮りの気持もあって、それならばとエレファント、すなわち象と名づけました。しかしエリクは、しだいに象のだらりとした風貌が気に入りました。

(い)では、エレガント、エレファントという音声的な近似が削がれてしまっている。その視点を抜きに優美さの欠如を象につなげては飛躍の感を免れない。

(ろ)では、冒頭からエレファントという名が出現するために、エレガントをエレファントにつなげた名づけの瞬間の印象がぼけてしまっている。

どれを支持するかアンケートをとったところ、(い)30パーセント、(ろ)20パーセント、(は)50パーセントという結果であった。まず順当な数字だろう。
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