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錯誤の数数に星の輝きを見つけるためのサイエンスフィクション
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胎児の毛を「胎毛」と称するそうである。赤ちゃんが初めて切ってもらった、つまり毛先側にははさみが触れたことのない「胎毛」で作る筆を「胎毛筆」という。それは伝統的なギフトでもあるらしい。

はじめて「胎毛筆」という語を目にしたとき戸惑った。それは「胎毛|筆」と区切られるのか「胎|毛筆」なのか、とっさに判断がつかなかったからである。

「毛筆」というより一般的な語に注意を引かれる一方、「胎毛」が同音の「体毛」を連想させたのだろう。はて、赤ちゃんに体毛はあったろうか。あっても産毛程度のものだろう。そんな微かな毛でどうやって筆を作るというのか。と、疑問とともに思考は迷宮に誘い込まれた。

毛といっても毛髪であって体毛ではない。だがそうなると、今度は「毛髪」と「毛筆」がオーバーラップを始めてしまう。やはりめまいは治まってはくれない。

さて、著者が情報収集のためにひもといたのは光文堂という工房のウェブサイトであったが、なるほど筆づくりにしっくりとくる商号である。だが同時に、町の筆耕屋、印鑑店、名刺印刷所……どこででも見かけそうな商号である。それもやはりめまいの種になるのであった。
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