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錯誤の数数に星の輝きを見つけるためのサイエンスフィクション
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鈴木大拙はいわずと知れた「禅」についての研究の大家だが、誤植により「褌」の研究家とされてしまった。高橋輝次編著『誤植読本』(東京書籍・2000)では、上記を筆頭に数多の誤植の例が披露されている。

手書きの原稿が主流であった時分には、「鼻をならし」たつもりが「鼻をたらし」てしまったり、現美容学生であるはずが理美容学生になってしまったりということはザラであった模様である。

著者の筆跡の癖が誤植の誘因となる場合もあれば、校正者の常識が著者の意図とは別の意味を招いてしまう場合もある。次の例などは、その双方が相乗的に作用したものと推測される。

モスクに付随する塔をミナレットと呼ぶが、それは灯台に由来するという説もあり、語源をたどれば「光の塔」を意味することから、日本語としては「光塔」と訳されることがある。だが校正者はより一般的な語である「尖塔」に書き換えてしまった。意味が通らないわけではないが、建築のエキスパートたる著者には受容れ難かった。

記憶とはおかしなもので、本書を読み終えたとき、さて過日の私の誘いに知人の目は光ったのであったか、尖ったのであったか思い出せなくなってしまった。興味を示すのと、困惑するのとでは隔たりがある。たぶん興味を示したはずだが、情報を都合よく歪めるのが人の習性であるから当てにできない。
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