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錯誤の数数に星の輝きを見つけるためのサイエンスフィクション
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「裸足で草の上を歩いてみませんか」。オーストラリアのとある製靴会社はそう問いかけた。「KUSA」と名づけられたそのゴムぞうりには、びっしりと芝草が植え込まれている。「あなたがどこまで走っていこうとも、ずっとその感触を味わうことができます」。

もっとも芝草といっても人工であるから、水遣りの心配はない。人工芝といえば、寸分の狂いもなく刈りそろえられた味気ない広がりを想像しがちだが、このゴムぞうりにはやけに無造作に不揃いの芝草が盛られてる。緑のなかに枯れたような薄茶を忍ばせるあたりも心にくい演出である。

「KUSA」が「草」であることに疑う余地はない。「sushi」や「sukiyaki」に続き、「kusa」も国際舞台に上ったか、と我が子の成長に目を細める心持を一時楽しんだが、その喜びはそう長くは続かなかった。

というのも、「草」ならば「grass」で十分ではないかと気づいたからである。「sushi」や「sukiyaki」は他に呼びようがないからそう呼ばれるのであり、事情は大きく異なる。

これでは「草草履」ではないか、同語反復もはなはだしい。かねてより移り気な著者は、いや「草ゴム草履」か、百八十度二回回れではないが、もはや何が言いたいのやら分からない、などと手のひらを返したように雑言を並べ始めた。冗長なのはよろしくない。そう、単純に「草履」でよいのだ。

そもそもゴムぞうりとは、草履の特殊形態であったはずだ。昔はイグサなどで編んだからこそ草履と呼ばれたものだろう。それが草素材ではなくなったときに、「ゴムぞうり」という言葉は生まれた。するとこの「KUSA」というシンプルなネーミングには、草履のルーツや日本文化への深いまなざしがあるのではないか。そんな気がしてきた。

「目を閉じてください。そうすれば、あなたはそこにいます」。そことは草の上だろうが、いまではフレーズが妙に哲学的に聞こえるから不思議である。
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