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錯誤の数数に星の輝きを見つけるためのサイエンスフィクション
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平田オリザ『対話のレッスン』(小学館・2001)に次のくだりがあった。

この顔文字は、使う人はしょっちゅう使うが、使わない人は決して使わないというところに、ひとつの大きな特徴がある。

そのくだりに拘泥した理由を示しておこう。では顔文字のほかにそうしたひとつの特徴を有するものはあるだろうかと興味がよぎったからである。すなわち、

この○○○は、使う人はしょっちゅう使うが、使わない人は決して使わないというところに、ひとつの大きな特徴がある。という文の○○○を埋めるどんなものがほかにあるだろうかという興味である。

顔文字がコミュニケーションに資する言語の働きを担っている点を思い起こすなら、言語は第一の候補となるだろう。たとえば、

この中国語は、使う人はしょっちゅう使うが、使わない人は決して使わないというところに、ひとつの大きな特徴がある。

しかし、中国語やフランス語や博多弁については、使う人はしょっちゅう使うが、使わない人は決して使わないのは当たり前である。本文は何も言っていないに等しいし、当たり前を特徴と呼ぶのは間違っている。

ならば、そのものに対する嗜好つまりは好き嫌いに収斂する問題だろうか。たとえば

この整髪料は、使う人はしょっちゅう使うが、使わない人は決して使わないというところに、ひとつの大きな特徴がある。

嗜好というよりは習慣に近い。使う人はしょっちゅう使うという句が習慣を含意しているのだから、○○○と習慣の親和性が高いのは考えてみれば当然である。とはいえ整髪料については、習慣が形づくられる経緯に恣意の関与しうる点は、中国語やフランス語や博多弁の場合との大きな違いではないだろうか。だれしも母語を択ぶことはできないのである。

ヒントのようなものは見え隠れするのだが、明確な何かに至るための手応えもまだなく紙幅もない。次の機会に持ち越すことにしたい。
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