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錯誤の数数に星の輝きを見つけるためのサイエンスフィクション
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テープ起こしの現場では、元の音声が分からなくなってしまう不都合を避けるための原則を設けているらしい。

たとえば「そのほか」という発語を「その他」と書き起こすべきではない。その文字は「そのほか」とも「そのた」とも読めてしまうからだ。ひとたび「その他」の元の音声は「そのほか」ではないと決めたなら、「そのた」という発語を「その他」と記述しても混乱は来さないし、審美的な観点からむしろ望ましいといえる。

以上を踏まえ、次のどの訳文が望ましいかを検討してみた。

(い)エリクには、結局は死なせてしまいましたが、象という兎がいました。兎はもっと小さくてすばしっこい動物だと思っていたエリクは、象をはじめて見たとき、ただやたらと大きいとびっくりしました。エリクが兎に期待していた優美さは備わっていないと判明したので、いくぶん侮りの気持もあって、それならばとエレファント、すなわち象と名づけました。しかしエリクは、しだいに象のだらりとした風貌が気に入りました。

(ろ)エリクには、結局は死なせてしまいましたが、エレファントという兎がいました。兎はもっと小さくてすばしっこい動物だと思っていたエリクは、エレファントをはじめて見たとき、ただやたらと大きいとびっくりしました。エリクが兎に期待していたエレガントさは備わっていないと判明したので、いくぶん侮りの気持もあって、それならばとエレファントと名づけました。しかしエリクは、しだいにエレファントのだらりとした風貌が気に入りました。

(は)エリクには、結局は死なせてしまいましたが、象という兎がいました。兎はもっと小さくてすばしっこい動物だと思っていたエリクは、象をはじめて見たとき、ただやたらと大きいとびっくりしました。エリクが兎に期待していたエレガントさは備わっていないと判明したので、いくぶん侮りの気持もあって、それならばとエレファント、すなわち象と名づけました。しかしエリクは、しだいに象のだらりとした風貌が気に入りました。

(い)では、エレガント、エレファントという音声的な近似が削がれてしまっている。その視点を抜きに優美さの欠如を象につなげては飛躍の感を免れない。

(ろ)では、冒頭からエレファントという名が出現するために、エレガントをエレファントにつなげた名づけの瞬間の印象がぼけてしまっている。

どれを支持するかアンケートをとったところ、(い)30パーセント、(ろ)20パーセント、(は)50パーセントという結果であった。まず順当な数字だろう。
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それが商標なのか普通名称なのか、判断に迷う場合がある。

そもそも「正露丸」は、日本陸軍が開発したものが起源とされる。日露戦争に赴く将兵に広く配付された経緯から、「露西亜(ロシア)を征する」をという意味を込め「征露丸」と呼ばれるようになった。日露戦争ならびに第二次世界大戦終結後にその謂れは好ましくないとの行政指導があり、「正露丸」と改められた。

「正露丸」は複数のメーカーから販売されたが、1954年にラッパのマークの大幸薬品が商標登録を断行した。不服とした他社が取り消しを求めて提訴し、1974年、「正露丸」は一般的な名称として認識されており、固有の商標とは考えにくいとの判決が確定した。

そうして「正露丸」は引き続き複数のメーカーから販売されている。が、派生商品である「正露丸糖衣」を含め、パッケージデザインの類似性をめぐる綱引きが、ラッパのマークの大幸薬品を軸に現在もくりひろげられている。なお、一社は一貫して「征露丸」の名前で販売しているとのことである。

著者の興味から「正露丸」の歴史をふりかえることとなった。そのほか、「業務スーパー」なども判断に迷う商標である。そのチェーンについてまるで予備知識のなかった著者は、たまたま訪れたウェブサイトを逍遥するうち、はて、これは名前だったかとようやくに気づいた。しかしその後もまだ納得がいかずに、「業務用スーパー」という普通名称と見比べつづけた。落ち着かない心地はまだ治まっていない。
リカルド某は偽のIDを示して銀行に口座を開こうと試みた。銀行員は迷うことなく警察に通報した。IDカードの顔写真がジャック・ニコルソンだったからだ。

ブラジルの警察は押収したフアン・ペドロ・ドス・サントス名義の偽造ID(ジャック・ニコルソンの顔写真が貼られている)を公開し、後を追ったが、リカルド某の行方はそれから三週間以上もつかめなかった。

少なくとも二つの疑問が浮かぶ。一つは、有名俳優ジャック・ニコルソンの顔写真を公開したことが捜査の進展にわずかでも役立ったのか。被疑者の逮捕後に警察が「俳優とはまるで似ていませんでした」と語ったくらいだから、役には立たなかったはずだ。

二つ目は、猿知恵ともいえないほどの稚拙な犯行を試みたリカルド某が、なぜ三週間以上も逃げ延びられたか。彼は逮捕時、五枚ものIDカードと四枚の別名義のクレジットカードを所持していた。

その五枚のIDの顔写真については触れられていないから、きっと有名俳優ではなく、市井の人の写真が貼られていたのだろう。彼は偽IDを使い分け、警察の目をくらませようとした。だが別にもっと出来のいいIDカードを五枚も持っていたリカルド某が、なぜ銀行でよりによってジャック・ニコルソンを使ったのかが三つ目の疑問である。チャレンジ精神だろうか。魔が差したとでもいうほかはない。
ある航空管制官がサウスウエスト航空のパイロットに頼みごとをした。「ママがその飛行機に乗っているんだ。ちょうど誕生日なので、おめでとうを伝えてくれないだろうか」。

公私混同も甚だしい。航空管制官とパイロットの間でちょっとした挨拶が交わされることは珍しいことではないが、頼みごととなればその域を越えてしまっている。

真に受けたパイロットは乗客に呼びかけた。「管制官のママが乗っている。誕生日なんだって」。パイロットが生真面目なのか不真面目なのか少少わかりにくい面がある。その後、乗客が騒ぎはじめたことにインターカムを切ったパイロットが気づくよしもなかった。

乗客は客室乗務員を呼び止める。「爆弾があるってどういうこと。だいじょうぶなのかい」。彼の耳に「ママ(mom)」は「爆弾(bomb)」と聞こえていた。

やや不安を感じたので、同様のリスクがないか検証してみた。「マス釣り行こうよ」「行こう、行こう、バス釣り行こう」「あの犬が枕(僕ら)をズタズタにしたんだ」「ズタズタ?だいじょうぶなのかい」まあ、あまり問題はなさそうである。
土曜の夜、ジョジョは母親とともに、FMラジオでジャズを楽しんでいた。「ステキじゃない、これ」。だが何の前触れもなく演奏はとぎれ、代わりに聞こえてきたのはあろうことかゲイセックスに勤しむ男たちの声だった。しかもその侵犯はおよそ五分間にわたった。

ジョジョはさっそくラジオ局のページにツイートした。「母もわたしも大笑いしてしまいました。乗っ取られたのではないかしら。先ほどゲイセックスの声が聞こえていましたよ」。

イワンのツイートはもっと早かった。「ジャズのはずでは?せっかくのディナーが気まずくてたまらないよ」。

先日、覆面でスーパーマーケットに押し込み、現金八千ドルを盗み出したピッツバーグの少年たちが、あっけなく逮捕された。逮捕のきっかけは、戦利品を自慢げに掲げる自分たちの写真をフェイスブックに載せたこと。犯人としてはけっして行なってはならない最下級の愚行が大方の失笑を買った。

イワンも思わぬかたちで発覚した罪の謗りを受けることになった。「イワンは少し無作法ですね。夕食中にぴいぴいツイートするとは」と。
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